さまざまなトピック

摂食障害と歯

食べた後に嘔吐のある方は、歯科的な問題も大きく、ひんぱんに歯科に通わなくてはいけなかったり、20歳代ですべて入れ歯になってしまったりすることもあります。

一番大きい歯科疾患としては、酸蝕(さんしょく)症(細菌の関与がない酸による化学的な歯質の溶解)があげられます。胃液が口腔内に逆流することで歯が溶け出してしまい、知覚過敏や冷水痛がみられ、重症になると噛み合わせ時の痛みを生じたり歯が折れたりする(破折)ことのある病気です。またコーラの飲み過ぎに代表される病態では、酸蝕症にう歯(むし歯)も重なり、歯の破折が一層早くすすんでしまいます。

このような歯科的問題を防ぐには、嘔吐を減らす・なくすことがもちろん重要です。もしも嘔吐をしてしまったら、少しでも歯への影響を減らすために、口腔内が酸性の状態のまま歯磨き粉(多くは研磨剤が入っている)で歯磨きをしない(歯がすり減ってしまい、さらに酸蝕症を進めてしまう)などの注意が必要です。

もしも嘔吐をしてしまったら ~歯を守るために~

  • ● 嘔吐直後の歯磨きは避けましょう。
  • ● 嘔吐後は酸を含まない洗浄液で口をすすぎましょう。
  • ● 嘔吐後1時間以上たってから、フッ素を含み、知覚過敏を和らげる歯磨き粉で1日2~3回歯と歯肉をブラッシングしましょう。
  • ● 酸性の飲み物(フルーツジュース、炭酸飲料など)を減らしましょう。特に就寝直前にとるのはやめましょう。酸性の飲み物を飲む時はストローを使用して飲みましょう。
  • ● 砂糖を含まないガムを噛みましょう。
  • ● 定期的に歯科を受診しましょう。(少なくとも年2回)
参考文献

National Institute for Health and Care Excellence. CG9 Eating disorders: Core interventions in the treatment of anorexia nervosa, bulimia nervosa and related eating disorders. 2004.(http://www.nice.org.uk/guidance/cg9