摂食障害の疫学

米国の一般人口集団の調査では、神経性やせ症の生涯有病率は、成人女性で0.9%、成人男性で0.3%、13~18歳の男女で0.3%と言われている。同様に、米国、欧州の一般人口調査では、神経性過食症の生涯有病率は、女性で0.9~1.5%、男性で0.1~0.5%であった。また、過食性障害の生涯有病率は、欧州の調査で、女性で1.9%、男性で0.3%、米国の調査では、成人女性で3.5%、成人男性で2.0%、13~18歳女性で2.3%、13~18歳男性で0.8%であった1)

一方、我が国では、推定患者数(1998年の1年間の受診者数)は、1998年の厚生省研究班の調査では、神経性やせ症12500人(10万対8.3~11.9)、神経性過食症6500人(10万対4.3~5.9)、非定型4200人で、10~29歳女性に限れば、神経性やせ症で10万対51.6~73.6、神経性過食症で10万対27.7~37.7であった。2015年から2016年に再び患者数調査が実施され現在解析中である。

また、1998年の新潟県における病院、診療所の調査2)では、時点有病率が、神経性やせ症で10万対4.79、神経性やせ症で10万対1.02であった。

京都の高校生から大学生の調査3)では、16~23歳女性の有病率は、表1に示す通りである。神経性やせ症、神経性過食症、特定不能の摂食障害、全摂食障害、すべての診断で、1982年、1992年、2002年と増加傾向を示していた。

欧米、我が国ともに、摂食障害は若年女性の有病率が高い。我が国では、若年女性で、神経性やせ症、神経性過食症を含めた全ての摂食障害の有病率が増加傾向にあり、特に、特性不能の摂食障害の増加には注意が必要であろう。

16~23歳女性における摂食障害の有病率3)

  1982年 1992年 2002年
神経性やせ症 0.11% 0.13% 0.43%
神経性過食症 0.00% 0.45% 2.32%
特定不能の摂食障害 1.08% 3.96% 9.99%
全摂食障害 1.18% 4.54% 12.74%
引用文献
  • 1) Smink FRE, et al. Curr Psychiatry Rep 14: 406-414, 2012.
  • 2) Nakamura K, et al. Int J Eat Disord 28: 173-180, 2000.
  • 3) Nakai Y, et al. Psychiatry Res 219: 151-156, 2014.